受験に必要なのは「ティーチ」ではなく「コーチ」|ビリギャル小林さやかさんインタビュー【前編】

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2013年に出版され、累計120万部のベストセラーとなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(坪田信貴著)のモデルである小林さやかさん。


小林さんは、高校2年生の夏までまったく勉強しておらず、タイトルどおり「学年ビリのギャル」だったそうです。それが、慶應大学への入学を果たすまでになったのは、坪田信貴先生がいた個別指導塾への入塾がきっかけでした。

インタビュー前半では、塾での勉強法や塾選びに大切なことについて、ご自身の経験をもとに語っていただきました。


* 小林さやかさんからの一言「タイトルにキラッキラとか入っててどんな人かと思われそうで心配ですが、これは自分でつけたタイトルではありません!(笑)」

初回の面談では、勉強ではなくまつげの話!?

――小林さんが塾に入ったきっかけは?

もともとは、母が弟のために探してきた塾だったんです。

知り合いから「いい塾があるらしい」と聞いてチラシをもらってきたようなんですが、弟は「塾なんか行かない」とあっさり断ったんですよ。

面談の予約をしていた母が「代わりに行ってくれない?」と。

その塾は、私が通っていた学校と家の間だったこともあって、学校帰りにふらっと寄ったのが最初のきっかけでした。

だから、勉強がしたかったわけでも塾に行きたかったわけでもないんです。


――――それが、なぜ入塾することになったのでしょうか?

初めて塾に行ったときの先生との会話が楽しかったからです。

その先生が「ビリギャル」の著者である坪田信貴先生。

坪田先生は、当時、講師の一人として文系科目の指導に当たっていました。初回は2時間くらい先生と面談したんですが、面談といっても勉強の話はせず、話したのは元カレ、ファッション、ジャニーズなど私が興味のあることばかり。

当時の私は、金髪でメイクもバリバリのギャル。それに驚いた先生が

「そのまつげ、どうなってるの?」

と聞いてくるものだから、

「授業中1時間かけてマスカラ重ね塗りしてるんだよ」

と答えたら、

「そうなんだ。オレにはひじきにしか見えないよ」

という具合で(笑)。先生があまりにも興味深そうに聞いてくれるので「この人、なんにも知らないんだな。教えてあげなきゃ!」という妙な使命感が湧いてきたほど。

そして、面談の最後に

「さやかちゃん、東大って興味ある?」

って聞かれたんです。正直ピンとこなかったけれど、

「それじゃあ慶應は? 嵐の櫻井翔くんがいる大学だよ。慶應ボーイって聞いたことあるでしょ」

と言われ、

「それなら行きたい!」

と。

「じゃあ、今日から慶應大学が志望校だ」

というわけで、慶應大学が志望校になりました。

授業は一切なし! 自力で正答にたどり着く

――――それまでは塾に行ったり、勉強をしようと思ったことはなかったのでしょうか?

ありませんでした。私が通っていた私立の中高一貫校は大学の付属校なので、エスカレーター式で大学に行けるため、中学に入ってからまったく勉強していなかったんです。

それに、中学時代に素行不良で学校の先生に怒られ「大学に行くための推薦はやらないぞ」と言われていたので「高校卒業したら進学しないで働こう」と思っていましたから。

私は、そもそも勉強が大嫌いだったんです。当然、塾にも行くわけがなく、毎日友達と遊んでいましたね。

――――個別指導塾では、どのように勉強をしていたのでしょうか?

この塾では授業は一切ありませんでした。教室には、ついたてのあるブースがあり、生徒はそこに座って、与えられた問題をひとりで解きます。

解き終わったら先生のところに持って行き、採点してもらって間違っているところを確認する。その時、先生は回答は教えませんが、問題の解き方や答えにたどり着くためのヒントや解き方をレクチャーしてくれるので、それをもとに自分で考えます。

小さな「できる」を大きな「やる気」に変えていく

――――先生に教えてもらえなくても解けるのでしょうか?

結論からいえば、基礎がしっかり固まっていれば、自分の力で考えて解くことができると思います。
そして、基礎を固めるために必要なのが、現在の学力がどのくらいなのかを把握すること。

そのため、入塾してすぐの小テストで現在の学力を見て、志望校合格までの学習計画を先生が立ててくれました。


私の場合は、中学生レベルの学力すらなかったので、最初に先生に手渡されたのは小学校4年生のドリル

たまに「あれ!?意外と難しい」という問題もあったものの、さすがにサクサク解けるので、先生が「すごいね!天才だね!」とほめてくれるんです。これで勉強が苦痛ではなくなりました。

どんな問題集を使うかはとても重要だと思います。自分の学力をはるかに超えた難しい問題をお尻を叩かれて解かされるのは苦痛でしかありませんから。

6割解けるレベルまで戻り、「できる」を実感する。小さな「できる」を大きな「やる気」に変えていく。これが大切なのだと思います。

――――塾にはどれくらい通い、どんな勉強をしていたのでしょうか?

塾に通い始めた当初は、週4日、1回3時間程度でした。

勉強が軌道に乗るにつれて時間数も増え、学校が終わった後、17時に塾に行き、22時に帰宅するとそのまま朝まで勉強。家では、塾で解いた問題集の続きをひたすらこなしていました。そのため、学校の授業中が睡眠タイムになっていました(笑)。

私は慶應大学文学部志望だったので、科目は英語、日本史、現代文に絞り、小論文の対策を兼ねて月に1冊本を読み、感想文を書く課題を与えられました。

特に苦手だったのは日本史です。石器時代と平安時代のどちらが先なのかすらわかっていないぐらい知識がなかった(笑)。

でも、丸暗記するのが苦痛で敬遠していたんです。そうしたら坪田先生が

「さやかちゃん、日本史は昼ドラだよ。寝取られたり戦ったり、壮大なストーリーがあるエンタメなんだよ」

と。そこで、先生にマンガ日本の歴史を読むことを勧められ、全巻読んだところ、流れがスッと頭に入ってきました。

私はビジュアルから入るタイプだということを坪田先生は見抜いていたようで「フランシスコ・ザビエルってこんな顔していたんだよ」などと、歴史上の人物の写真をよく見せてくれました。先生は、そうやって生徒の興味を掴むのが抜群にうまかったんです。

受験に必要なのは、「ティーチ」ではなく「コーチ」

――――やる気になったのは、坪田先生の指導のおかげだったんですね。

そもそも塾に通い始めたのも、初回の坪田先生との話が楽しかったから。あそこで勉強の話ばかりされたら、私は塾に通うことはなかったでしょうね。

受験勉強において一番難しいのは、モチベーションを保ち続けること。

その点、私は坪田先生がほめたり励ましたりしてくれたおかげでモチベーションを保つことができました。

「さやかちゃん、よく見るとかわいい顔してるからさ、慶應に入ったら、もしかしてうっかりミス慶應とかになっちゃうかもよ。そしたら女子アナになって野球選手と結婚したりして」

「マジ? あたしセレブじゃん! やっぱ慶應行くしかないっしょ」

って、またやる気になる(笑)。


今思えば、坪田先生はティーチャーではなくコーチだったと思うんです。「教える人」ではなく、「マネージメントし、導く人」。

受験勉強に必要なのは、「この子はどうやったらできるようになるのか」を分析して導いてくれるコーチではないでしょうか。
だから、塾選びの際は、先生がひとりひとりの個性や適性をきちんと把握しているか、どのように生徒と接しているのかを確認することが欠かせないと思います。

公開日:2019.06.19

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