富士見中学校の魅力(私立中学校 file.14)|#中受ラジオの学校紹介

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中学受験学習相談ラジオ(#中受ラジオ)は、中学受験生を持つご家庭のお悩みにお応えするネットラジオです。#中受ラジオ vol.17 「私立中学校のご紹介 先生からの1分間メッセージ」では、富士見中学校(東京都練馬区)をご紹介しました。

#中受ラジオ vol.17はこちらからお聴きいただけます)

このインタビューは、富士見中学校さんの1分間メッセージをもとに、お聞きしたお話を「編集後記」としてまとめたものです。ラジオ番組内ではお伝えしきれなかった富士見中学校の魅力を皆さまに感じていただければと思います。

 1分間メッセージをお話いただいた校長の佐藤先生の写真
1分間メッセージをお話いただいた校長の佐藤先生

リーダーシップを分かち合うことですべての行事が自分ごとになっていく

――富士見中学校の行事はとても盛り上がるそうですね。

はい。こちらの写真をご覧いただくと雰囲気をお伝えできるのではと思います。

文化祭の様子の写真
文化祭の様子

体育祭の様子の写真
体育祭の様子

写真は体育祭の一場面です。毎年、高校3年生の生徒たちは最後の体育祭で感極まり、創作ダンスが終わったあと皆で肩を組んで歌いだします。中学1年生などは先輩たちのこうした様子をみてびっくりするのですが、富士見で過ごすうちに自分たちも熱い想いで行事に取り組むようになっていきます。

―― 行事に熱心な校風なのでしょうか?

校風というより、生徒一人ひとりが自発的にそう行動するようになっていくと申し上げたほうが良いかもしれません。この背景には、シェアードリーダーシップの考え方があります。

――シェアードリーダーシップ…つまり、チームのメンバー全員がリーダーシップを発揮する、という考え方ですね。

そうですね。皆で何かひとつのことをやり遂げる時、リーダーの役割(=リーダーシップ)はもちろん重要ですが、リーダーを支える人たち(=フォロワーシップ)の役割も同じぐらい、あるいはそれ以上に大切です。

ですから生徒たちには、自分の責任をしっかり果たすことはもちろん、リーダーから言われたことをそのままこなすのではなく気づいたことを積極的に提案したりお互いを助け合ったりすることの大切さや、そうした行動を通じて周りにポジティブな影響を与えることもリーダーシップの形なんだよ、君たちはみんなでリーダーシップを分かち合っているんだよといった話をしています。

このように伝え続けることで、生徒たちはすべての行事を自分ごととしてとらえるようになります。自分ごとだからこそ真剣に行事に取り組み、応援し合って盛り上げていきますし、ひとつ行事が終わるたびに、次はもう少しこんなふうにやってみようという意欲や、もっと責任を負ってみようといったという前向きな気持ちも生まれてきます。

本校の行事は明るく活気があるとおっしゃっていただくことが多いのですが、それは生徒たち一人ひとりがこうした経験を積み重ねてきた結果なのです。

ルーブリックを使い、学校生活のさまざまな場面で「17の力」を培う

――行事も大切な学びの機会なのですね。

はい。生徒たちにとっては「17の力」を培う機会のひとつにもなっています。

――17の力とは何ですか?

私たちは、本校の教育目標である「社会に貢献できる自立した女性」には、「自分と向き合う力」「人と向き合う力」「課題と向き合う力」が必要だと考えています。この3つの能力を着実に伸ばすために、「自分の意見を形成する力」「チャレンジする力」などのより具体的な力に細分化したものが「17の力」です。

17の力の図
17の力(出典:富士見中学高等学校ホームページ

生徒たちは「17の力」を具体的な評価基準に落とし込んだルーブリックを使い、学校生活の中で、自分は人を巻き込む力を発揮できているか、意見をつくる力はどうかなど、絶えず自分自身で評価しています。

時には教員から「次の行事の時にはこの力を意識してみよう」と声かけをすることもありますし、自分はこれを目標にするよと宣言して実行し、振り返りをすることもあります。

「17の力」のルーブリック
「17の力」のルーブリック(出典:富士見中学高等学校ホームページ


――授業では、たとえばどのような場面で「17の力」が培われるのでしょうか?

中学1年生の理科では、実験の手順を調べたり必要な道具をそろえたりするところからすべて自分たちで行います。

学校の理科実験といえば普通は先生がすべて手順を教えてくれ、事前にそろえられた道具を使って実験…という形だと思うのですが、本校の場合、先生は実験の概要を説明したあと「ではこの実験の手順や必要な道具をグループで調べてください」と。ですから、実験はうまくいかないことが圧倒的に多いのです。

生徒たちはその結果に少なからずショックを受けるのですが、私たちは「うまくいかなかったからって言って泣くことないんだよ。データが1つ増えただけなんだよ。大事なのはなぜ結果になったのか、次はどうすればよいのかを考えることなんだよ」と伝えています。

気を取り直した生徒たちは、班ごとの実験結果まとめを互いに共有し、考え始めます。ここでこういう風になったからうまくいかなかったのでは?今度はこうすればうまくいくんじゃないかと。

――この実験だけでも「チャレンジする力」「計画する力」「やりとげる力」「自らを振り返る力」「話し合う力」… さまざまな力を伸ばすことができそうですね。

「発表して終わり」にならない探究活動で17の力を高める

「17の力」を培う代表的な学びが、探究プログラムです。探究プログラムは、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」「ふりかえり」を通じた学習のことをいいます。

特に中学では、段階的に重点項目を決めて取り組み、中1では「課題の設定」、中2では「情報の収集」、中3では「整理・分析」「まとめ・表現」とし、「問う」、「調べる」、「伝える」を主要なテーマに、さまざまな活動に取り組みます。

探究プログラムの構造の図
探究プログラムの構造(出典:富士見中学高等学校ホームページ

中学1年生は、夏休みに「生きもの探究教室」に行きます。現地に行って専門家の話を聞いたあと、自分が「あれ?」と思った疑問を出し合うのですが、さすが生徒たちは入学から夏までにトレーニングを積んでいるだけあって、山ほど疑問が出てきます(笑)。

それらの中からグループとして探究したいテーマを決めて、仮説を立ててから翌日フィールドに出て行き、調査・観察し、データをとって。宿に戻って整理分析し、考察して、結果をポスターにまとめて発表して…生徒たちは、夢中になって取り組んでいます。

フィールドワークの様子の写真
ポスター発表の様子の写真
フィールドワークとポスター発表の様子
(出典:富士見中学高等学校ホームページ

――とても充実した活動になりそうですね。「問う」活動は他にもあるのでしょうか?

中学1年生は「生物」がテーマですので、秋には上野動物園にフィールドワークに行きます。気になった動物をじっくり観察すると「あれはなんだろう?」「何をやっているんだろう?」という気づきが生まれます。

それらを全部書き留めて持ち帰り、話し合って、最終的には音声ガイドを作ります。たとえば猿がこんなふうに動いたら、それにはこんな理由があるんですよ…といった説明をするような音声ガイド、小学生のお子さんが楽しめるようなものができればと考えて作っています。こんなふうに、中学1年生は疑問を持つことを大切にしています。


――中学2年生は「調べる」、3年生は「伝える」でしたね。これらの活動にはどのような特徴があるのですか?

中学2年生は「街」がテーマですので、5月に上野・浅草へ行きます。そこでボランティアガイドさんと回って、あれ?と思ったものの情報を集め、戻ってきて分析・整理をし、考察の結果を文化祭で発表します。

実は、中学2年生の活動は発表して終わりではありません。文化祭でお客さんに質問されてわからなかったことも踏まえて、文化祭後の10月にもう一度上野・浅草を訪れます。今度は本やインターネットで調べるだけでなく、実際にインタビューをしてみるなど、多角的な情報の収集の仕方も学びつつ、さらに考察を深めて、もう一度発表会を実施するのです。

――再挑戦の機会があるのですね。

中学3年生にも再挑戦の機会がありますよ。中1・中2は文化祭が成果発表の場なのですが、中3は文化祭が中間発表で、最終発表は2月です。

中間発表後の見直し時には教員が生徒一人ひとりの面談を担当するのですが、この面談は生徒にとっては結構大変です。生徒は教員に自分がテーマを選んだ理由や研究の現状や今後どうしていくのかを1分間でプレゼンし、それに対して教員が質問をしていきます。

たとえば「インタビューをする」と書いてあれば、どういう人にインタビューするのか、その人たちをどうやって集めるのかといった具合にどんどん質問し、生徒たちに、次に自分は何をすべきかを考えさせるのです。中には答えられなくて考え込んでしまう生徒もいますし、そんな姿を見ると私たちもつい教えたくなってしまうのですが(笑)、そこはやはり本人が考えることが大切ですので、私たちは考えさせる質問をすることに徹しています。

ポスタープレゼンテーションの様子の写真
ポスタープレゼンテーションの様子(出典:富士見中学高等学校ホームページ

「失敗しない子」ではなく「失敗しても頑張れる子」を育てたい

――富士見中学校さんの教科学習や探究学習は「失敗から学ぶ」ところに特徴があるのですね。

私たちは「失敗しない子」ではなく「失敗しても頑張れる子」を育てることが大切だと考えています。AIによって職業を取り巻く状況も変わり、宗教別人口ではイスラム教徒が大きく伸び、アフリカの時代が到来しているかもしれないこれからの時代には、価値観も混ざり合い、今まで自分たちが持っていた「常識」は通用しなくなるでしょう。だからこそ失敗することを当たり前ととらえてそこからまた前向きに挑戦ができることが必要ですし、本校での経験と「17の力」はその時に役立つものなのです。

――グローバルな視点も入ってくるのですね。

高校の探究学習では、中学の3年間で培った「問う」「調べる」「伝える」スキルを活かして日本→アジア→世界へと視野を広げながら、自分が社会に貢献できることは何かを考えていきます。


探究学習の広がりの図
探究学習の広がり(出典:富士見中学高等学校ホームページ

私たちは、中高の6年間は社会に出るための準備教育という意味でその全体がキャリア教育だと考えています。キャリアをどんな職業につくのかという狭い話でとらえるのではなく、自分はこんなことに関心があり何を大切にしたいのかという「自分軸」、そして社会とどう関わっていくのかの「社会軸」をしっかりつかんだ上でビジョンを立ててもらいたいですね。

こうした考え方や経験がしっかりしていればいるほど、進学先の大学選択にあたっても生徒たちは妥協せず、少しでも良い学びができる場所、自分の関心をもっと深められる場所を選んでいくでしょう。彼女たちがそうやって進学し、あるいは社会に出てからもずっと学び続け、どこかのタイミングで社会に貢献できる人になってくれればと願っています。

学校説明会資料より

――「社会に貢献できる自立した女性の育成」という教育目標に向けて、そこに至るまでのプロセスを非常にきめ細かく作っていらっしゃることがわかりました。本日はありがとうございました!

追記:
校舎も、新しくなった図書館“Learning Hub”もとても綺麗でした!

図書館(3階)の様子
図書館(3階)の様子

公開日:2019.11.20

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