東京農業大学第一高等学校中等部の魅力(私立中学校 file.18)|#中受ラジオ の学校紹介

東京農業大学第一高等学校中等部の校舎
中学受験学習相談ラジオ(#中受ラジオ)は、中学受験生を持つご家庭のお悩みにお応えするネットラジオです。#中受ラジオ vol.20 「私立中学校のご紹介 先生からの1分間メッセージ」では、東京農業大学第一高等学校中等部(東京都世田谷区)をご紹介しました。

このインタビューは、東京農業大学第一高等学校中等部さんの1分間メッセージをもとに、お聞きしたお話を「編集後記」としてまとめたものです。ラジオ番組内ではお伝えしきれなかった東京農業大学第一高等学校中等部さんの魅力を皆さまに感じていただければと思います。

農大一中の入試広報部長・川崎先生
1分間メッセージをお話いただいた入試広報部長の川崎先生

本物に触れることで学びの面白さと奥深さを知る

―― 1分間メッセージでは「机上の学問だけにとらわれず、実学、すなわち実験や校外学習など、本物への体験を重視しています」とのお話がありました。この意味について、もう少しご説明いただけますか?

本校の教育理念は「知耕実学」、つまり、実学によって自分の「知」を耕し、深めていって欲しいという考え方です。その実現のため、特に中等部の3年間は、机の前で学ぶだけでなく実際に体験する機会を多くつくっています。

たとえば、中2の体験型総合学習「お米の科学」の授業では、生徒は2種類のお米を食べ比べ、どちらがおいしいと感じたかを答えたあと、それぞれを顕微鏡で観察します。するとおいしいと感じたお米はデンプンの数が多く、おいしくないと感じたほうは少なかったことがわかります。おいしくなかったほうのお米は酸化していた――文字で学べばただそれだけのことですが、実際に味わい、観察し、考えたことで、生徒たちが感じる「学ぶことの面白さ」や「化学への興味」は段違いに大きくなります。

農大一中のお米の科学
「お米の科学」実験の様子 (出典:本校ホームページ)


―― お米を学ぶと聞いて「食育」のような授業をイメ―ジしていましたが、これは化学の授業ですね。

そうですね。食品を使って化学に親しむといった意味合いが強い学習です。中学3年生の総合学習「味噌づくり」では、大豆や発酵について東京農業大学の施設を使用し実習を行います。

―― 農大と連携する機会は多いのですか?

はい。中1が行う稲作は厚木にある農大の専用農場で農場の方の指導を受けながら行いますし、中2の「お米の科学」、中3の味噌づくり、そして高1の希望者が体験できる醤油づくりも農大と連携しています。

本校の特色は、なんといってもすぐ近くに東京農業大学という「食」や「科学・化学」の専門家がいることですので、その協力を得て行う体験学習は、生徒たちにとって専門家の学びとはこんなにも深く面白いのかと気づく大切なきっかけになっています。

農大一中の稲作授業
(上)中1・稲作 (下)中2・お米の科学 (写真提供:本校入試広報部)

―― なるほど、農大の方々から学ぶことも「本物体験」なのですね!

科学する態度と技術が自然と身についていく

―― 農大の専門家から学ぶことで、科学する態度や技術が身につきそうですね。

15年前、中等部を設立する時に目指したもののひとつが、農大が持つ研究や発表のノウハウ――たとえばどのようなデータをとれば研究のもとになるのか、どういった発表をすれば説得力があるのかといった知識や経験を継承したいということでした。

本校では、中1の理科では授業の半分以上実験や観察ですので、机の前にじっと座っていなくて良いし手を動かすので楽しいと感じる生徒が多いです。でも実は、楽しい中にもデータの取り方や発表の仕方はしっかりと身につくように授業は設計されています。中2の「お米の科学」も、大学教授と大学院生がきめ細かいサポートを行いますので、高いレベルでの実験・観察の方法を実地で学ぶことができるのです。

―― そういえば農大一高さんの生物部は有名だと聞きました。受賞歴も多いのだとか。 

生物部には中・高合わせて100人を超える部員がいます。ただその活動は農大の指導を直接受けているわけではなく、科学的態度や技術を身につけた先輩たちが代々資産として残してきたノウハウを後輩たちが活用し、自分自身のテーマで研究をする、というものです。私も発表を見に行くことがありますが、やはりデータのまとめ方や発表が非常に上手ですね。学校の授業や農大との連携で学んだことを基盤として生物部が脈々と受け継いできた資産の存在を感じます。

―― 学校生活の中で、発表の技術を磨く意味ではどのような機会があるのですか?

中3で行う「課題研究発表」――開校以来ずっと行っているこの取り組みなどはわかりやすい例だと思います。中学校生活の集大成、卒論のような位置づけで、生徒一人ひとりが自分の興味のあるテーマを見つけ、中2~中3の1年間をかけて調査・研究を進め、ポスターセッションの形へと作り上げていきます。これは生徒たち一人ひとり、制作にも発表にも本当に力を入れています。

実学教育では、どのようにアウトプットしていくのかやその経験をどう次につなげていくかがとても大切です。ですから本校では、課題研究発表だけでなく、教科の授業でもディスカッションやプレゼン、ディベートをする機会を多くとっています。発表し、結果を振り返り、その成功や失敗から学ぶ経験を積み重ねていくことでスキルは格段に上達していきます。


良好な人間関係のなかで能動的に学ぶ姿勢を培う

―― 失敗から学べることも多いですよね。

私たちは授業でも実験でも、その中で生徒たちに小さな失敗をたくさんさせたいと思っています。たとえば理科の授業で実験や観察の結果を推測する時、間違っていたら恥ずかしいからと人前で言いたがらない生徒もいるのですが、勇気を出して発表してみたら実は同じことを考えている生徒が意外といるものですし、実験の中で失敗したなら、それなら次はこういう風に準備していこうという学びができます。

私たち教員はそんなふうにファシリテートしながら、間違うのはそんなに恥ずかしいことではないよ、ということを少しずつ生徒たちに気づいてもらうようにします。小さな失敗を積み重ねることが結果的に生徒を成長させ、能動的な学びをつくると私たちは信じていますので。

―― 安心して失敗できる環境にいれば、生徒さんたちの発言は活発になりそうですね。

そうですね。発言をすることが恥ずかしいと言う生徒も、もちろんいるにはいるのですが、全体的に見てそんなに多くは無いですし、恥ずかしいと言っていても発表するときちんと話ができる生徒が多いのはひとつの特徴かもしれません(笑)。

―― 入学後、生徒さんが「うちの学校のここが好き!」と言っておられるのはどのような点ですか?

雰囲気や人間関係が好き、と言う生徒がすごく多いですね。農大という名前からイメージされるそのままだと思うのですが、本校にはやはり自然が好き、生き物が好きという生徒が多く、そういった子たちはやはり心優しいのです。私たち教員もなるべく壁を作らないように接していますので教員と生徒の距離も近いですし、生徒たちは授業や学校生活を通じて、失敗を受容し、他者目線で行動することを学んでいます。

本校の一番良いところはどこですか?という質問にお答えするのはすごく難しいのですが、私としてはやはり、人間関係が良好な環境の中で、生徒たちが自分のやりたいことを能動的に一生懸命やることができる、それを他の人が「なんであいつはあんなことをやっているんだ?」とみるような空気がない、各々の関心を尊重する校風を挙げたいですね。

農大一中の課外活動の様子
左上・中1 English CAMP、右上・体育祭の大根リレー 
左下・教室の様子、右下・中1 宿泊研修でのほうとう作り
(写真提供:本校入試広報部)

先生たちも日々挑戦し授業を進化させていく

私たちは、器の大きな生徒を育てることを意識して学校運営をしています。中等部の創立まもない頃は、さまざまな世界で活躍する生徒を育てたいとの思いから、色々なところに連れて行ったり、多様な方々を呼んで講演をしていただいたり、いわゆる「知的好奇心を育てる取り組み」のようなことを随分してきました。

―― 当時と比べると今はそういった行事は減ってきているのですか?

すべてを外に頼るのではなく、私たち教員もそうした取り組みの中から学び、自分たちでできるようになったものは校内で、専門家に任せるべきものは専門家にという棲み分けが出来るようになった側面があります。

―― 先生がたの授業も年々進化しているのですね。

私たち教員としてはやはり、生徒たちが社会に出た時に自分たちが教えたことがその子たちの身になっていて欲しい、役立って欲しいという思いが強いのです。卒業した生徒たちがたまに顔を見せに来てくれる、先生に教わったことがこんなふうに役に立っているよ、そういってくれるたびに、私自身、生徒たちが社会に出たときに必要なスキルや知識を日々アップデートして授業に織り込まなければという思いを新たにしますし、本校にはそういった考え方をする教員が多いと思います。

農大一中の理科授業風景
理科授業風景 (写真提供:本校入試広報部)

一中一高ゼミで教養と好奇心を育てる

器の大きな生徒を育てるための取り組みとしては、放課後に実施している「一中一高ゼミ」――教員たちが自分の得意分野で思い思いに開講するゼミもあります。たとえば英語の先生と生物の先生が、Natureを原文で読みオールイングリッシュでディスカッションやプレゼンをする「サイエンスイングリッシュゼミ」を開いていたり、ディベートに特化したゼミや世界史を映画や漫画で学ぶゼミがあったり。そうそう、筋トレが趣味のネイティブ教員は学校のトレーニングルームを使って(※本校には設備の整ったジムがあるのです)英語で筋トレをしようというゼミを開いていますよ(笑)。

東農大一中一高ゼミの様子
一中一高ゼミの風景 (写真提供:本校入試広報部)

教員もこんなふうに楽しみながら、教科書に載っていない知的活動を実施し続けてきた結果、参加する生徒も非常に多くなってきて。知らないことを知るってこんなに面白いんだとか、ここまでやるとみんなが納得してくれるんだとか、そういった経験や発見が自分の肥やしになり、将来の受験勉強はもちろん、社会に出たときにも役立っていくと思うのです。

本校ではもちろん日々の学習や補習、高3向けの講座などの受験に特化した取り組みもきめ細かく実施しています。ただ、それ以外にも一中一高ゼミのような教養や好奇心を育てる「それ以外の」取り組みに厚みを持たせてきたことが、進学実績や卒業後の生徒たちの活躍につながっている部分もあると感じています。

―― 農大、と聞いて理系のお子さん向けの学校なのかと思っていたのですが、理系でも文系でもさまざまな学びができそうですね。

進路の割合で言いますと、本校では理系が約6割、文系が約4割です。理系だけの学校ではありませんし、むしろ理科の授業が実験や観察が多いですので、机上の学習よりもわかりやすいという生徒も多いですよ。いろいろな経験をする中で学びの面白さに到達して欲しい、その姿勢は理科だけでなくすべての教科の教員が持っていますので、文系の生徒さんも安心して学びを楽しむことができます。発表やディスカッションの機会が多い本校では、むしろ国語の素養が大切になるところも大きいですので、文系科目が得意なお子さんにもぜひいらしていただきたいと思っています。

―― よくわかりました。本日はありがとうございました!




公開日:2019.12.11

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